女瀬ノ平瀬のクロ釣り
佐世保の地図を見ると五島列島を前に、平戸島と崎戸大島に囲まれて、南北両九十九島が点在しています。地元佐世保の磯釣りファンは元より、佐賀や福岡など近県からの多くの釣り客で、年間を通して賑わっています。特に春の乗っ込みクロダイの実績はすばらしく、50センチ級は言うに及ばず、毎年60センチオーバーが記録されています。
しかしグレは、かなり小型化してしまいました。魚影は濃いものの、手のひらサイズから足の裏くらい。たまに、30センチクラスが混じる程度です。

ところが、この海域のちょうど真ん中に浮かぶ大きな黒島は、五島灘の潮流の影響を受けています。よって寒グロのシーズンともなると、キロオーバーを含めて、30センチ級が数釣りできます。しかしポイントが少ないため、今後は型が上がると共に釣り場の争奪戦が激しくなります。ここは私の釣友で「シケの神様」と呼ばれる原田氏が、最も得意とする釣り場です。彼は独特の釣り方で、信じられないほどのグレを釣り上げています。

女瀬の平瀬は、黒島の中でも1級ポイントです。「今年はまだ型が小さい」との情報を得たものの、様子見の釣行をする事にしました。1月11日(木)朝7時、「石井釣センター」の新船「ナガウラII」で出港。しかし平瀬は名前のとおり、背の低い瀬です。昨日からウネリが出ており、しかも現在は大潮なので、下げに入ってから磯に乗る事に。まずは、手前の伊島へ上がりました。
今日は5時まで釣る予定です。マキエ温存のために転寝。早めに弁当を食べて時間を潰し、瀬変わりを待ちました。しかし原田氏は、大量のマキエを持参。途中水没で戻れない先端の岩場で、足下まで潮を被りながら大奮闘。足の裏サイズを7枚ほど上げました。
満潮は10時です。11時過ぎに瀬変わりして平瀬へ。ところが前日の天気予報とは異なり、西からが強風が吹いています。しかも大潮なので、比較的高いほんのわずかの磯をを除いて、まだ潮を被っています。シケの神様と同行しているので、ある程度の荒れは覚悟していたのですが・・・。

私たちを含めて4名を高場へ下ろし、船は女瀬の南側へ走り去りました。まずは手近な所で、竿を出す事にします。竿はダイコーエーワン磯1号、リールはダイワトーナメンX2500LBA。道糸2号にハリス1・75号、がまかつ競技グレ針4号をセットします。ウキはキザクラGTRMサイズBに、釣研逆光くわせBを2段仕掛けで使用しました。
マキエを打って第1投。するとウキがスッと消し込み、手のひらチョイのグレが掛かってきました。型はともかく好調な滑り出しです。ところが期待したにもかかわらず、後が続きません。結局、ここではこの1枚のみでした。
ほどなく東側へ移動。ここは上げ潮が本命ながら、下げでもかなりの実績がある場所です。ところが潮も悪くないのに、アタリが出ません。しかし原田氏はあちこちに仕掛けを投げて、ポツポツと拾い釣りしています。

4時15分に30センチを1枚上げたところで、待ちに待った上げ潮が弱いながらも動き出しました。そのとたん、一気に元ウキまで引き込むアタリが!良い引きをしています。上がってきたのは、本日の最大35センチの尾長。こうなれば1枚でも多く上げて、カッコをつけなければ!すでに時遅しの感はありますが・・・。
しかし、4枚を追加したところでマキエがなくなり、納竿となりました。釣果は35センチを頭に、30センチ級が合計6枚。原田氏は伊島での釣果も含めて20枚でした。

<瀬渡し>
臼ノ浦「石井釣センター」
TEL:0956−68−2993(問い合わせ・予約とも)

平瀬北側の磯

平瀬南側の磯

平瀬水道側の磯

サルの腰掛と女瀬ノ鼻

本日の釣果(35p他)